というわけで、正社員型派遣は企業正社員と一般派遣、どちらの認識でもモヤっとすることがあるんです。
この記事では私が経験して感じたことを元に、正社員型派遣について企業正社員と一般派遣とで比較しながら解説します。
ぜひ最後まで読んで、正社員型派遣を理解してから自分の道を選んでください。
結論
- 「正社員型派遣は正社員だ」という認識はやめた方が良い。
- 新卒で正社員型派遣に絞るのはもったいない
研究補助としていますが、実験補助も同じ意味として使われます。また、大学や研究所では技術補佐員やテクニシャンとも呼ばれます。
では、見ていきましょう♪
企業正社員と比べた場合
企業正社員と似ているところ
- ボーナスと退職金がある。
- 派遣されていなくても会社との契約は切れない。
- 正社員なので社会的信用はある。
1_ボーナスと退職金がある。
ボーナス・退職金ともにきちんと支給されます。
だた、企業正社員の額には及びません。
2_派遣されていなくても会社との契約は切れない。
派遣会社の正社員なので、社内では「派遣先」よりは「配属先」という表現の方が使われます。
配属先が企業なのか大学なのか、派遣会社の営業所なのかだけの違いになります。
3_正社員なので社会的信用はある。
急に無職になることはない、という点での信用度はあります。
企業正社員と比較するとモヤッとするところ
- 知識や技術がある人は実力以下のパフォーマンスになりがち
- 給料が上がったとしても企業正社員には及ばない。
- 配属先で昇格することはない。
- 転職時に「正社員経験あり」と言いにくい。
- 配属先の業績が上がっても自分のボーナスに反映されるわけではない。
- 配属先で孤立することもある。
- 長年勤めた配属先でも、会社都合で急に切られることが普通にある。
1_知識や技術がある人は実力以下のパフォーマンスになりがち
卒論や修論などでしっかりと研究をして知識や技術を身につけた人は特にモヤッとしがちです。
実験メインの仕事をしたいという理由で正社員型派遣を選ぶと、物足りなくなります。
研究補助は文字通り補助なので、知識や技術がある人は実力以下のパフォーマンスになりがちです。
実験の重要な部分は、指示を出す人が自分ですることが多いです。
3_給料が上がったとしても企業正社員には及ばない。
外部の人(派遣)に重要な仕事を回すことは基本的にありません。
そのため、派遣の仕事は範囲の限られたものになります。
補助の仕事をする立ち位置では、どんなにがんばってもメインの仕事をする立ち位置の人にはかないません。
4_配属先で昇格することはない。
配属先で自分と同時、もしくは後から入った企業正社員は昇格していきます。
しかし、自分の立場は何も変わりません。
なぜなら、仕事内容が一般派遣と同じだから。
なので、永遠にお手伝いさん的立ち位置は変わりません。
派遣がたくさんいる場合はグループのリーダーみたいになることはあります。
5_配属先の業績が上がっても自分のボーナスに反映されるわけではない。
企業によっては、お小遣い程度のお金を支給してくれるところもあります。
6_配属先で孤立することもある。
仕事の範囲が限られるので関わる人も固定されがち。
配属先によっては飲み会等に派遣を呼ばないスタイルのところもあります。
7_転職時に「正社員経験あり」と言いにくい。
経験業務が一般派遣と同等なので、正社員業務の経験値は無いに等しいのです。
8_長年勤めた配属先でも、会社都合で急に切られることが普通にある。
企業でいえば「部署が変わる」という感じでしょうが、派遣では切られた感が出るので良い気はしません。
一般派遣と比べた場合
一般派遣と似ているところ
- 長年続けると実験のエキスパートのような人にはなれる。
- 会議への出席は連絡事項や必要な教育だけのことが多い。
- ルーティンワークや周辺業務を頼まれることがほとんど。
- 大手企業に配属されることが多い。
1_長年続けると実験のエキスパートのような人にはなれる。
毎日同じような実験を繰り返し行うので、さすがに上達します。
同じ配属先ならもちろんですが、違う配属先でも大きく変わることはありません。
サンプルや装置が変わることで、手順や注意点が増えたり減ったりといったところです。
様々な実験をすることで、いろんなパターンを学ぶことができます。
2_会議への出席は連絡事項や必要な教育だけのことが多い。
派遣社員への情報共有は、必要があるものだけに限られる場合が多いです。
あっさり働きたい人にはかなりのメリットです。
しかし、「派遣さんはここで退出で大丈夫でーす」と言われるのはまぁまぁの疎外感があります。
3_ルーティンワークや周辺業務を頼まれることがほとんど。
最も多いのは社員さんが実験計画や実験手順を考えて、派遣がその通りに作業する流れです。
仕事の幅は指示を出す人によって変わります。
例えば…
- 検討段階は自分でして、ルーティンワークになってから派遣に振る人。
- 検討段階から派遣に振る人。
- データが出たら以降は自分でする人。
- データが出たら、次は解析やデータまとめも派遣に振る人。
その他、試薬や備品の整理・注文、資料の整理など細々した作業も頼まれます。
4_大手企業に配属されることが多い。
派遣を雇えるということはお金があるということです。
なので、小さい企業に配属されることはほぼありません。
一般派遣と比較するとモヤっとするところ
- 人間関係でトラブルがあるとボーナスにすぐ反映されがち。
- 配属先を自由に選べない。
- 配属先の業務時間外に派遣会社の研修やレポート提出が入ってくる。
1_人間関係でトラブルがあるとボーナスにすぐ反映されがち。
これは自分発信ではなく巻き込まれただけでも対象なので注意が必要です。
職場に自分と合わない人がいるのは珍しいことではありません。
適当にやり過ごして自分の仕事をすればそれで良いのです。
しかし、相手が派遣会社に何かしら苦情を言った場合にはなぜが大ごとにされがちです。
この時、相手の勝手な思い込みであっても、巻き込まれる恐れがあります。
そして、ボーナス査定基準のコミュニケーション能力で減点対象にされるようです。
2_配属先を自由に選べない。
正社員型派遣では基本的に配属先は会社が選びます。
一応希望は言えますが、希望通りでない場合もあります。
しかも、新卒の場合はへき地などにも配属されやすい傾向があるようです。
3_配属先の業務時間外に派遣会社の研修やレポート提出が入ってくる。
一般派遣でも業務時間以外に研修が発生したりはしますが、正社員型派遣の方が断然負担が増えます。
配属先の就業時間内に派遣会社の作業をしてはいけません。
なので、派遣会社への提出課題などは配属先の業務時間外にする必要があります。
モヤッとポイントが苦痛な人はどうすべきか?
企業正社員を希望する人
できるだけ新卒枠で企業正社員への就職をがんばりましょう。
無理なら、第2新卒枠での就職をがんばりましょう。
その際は、エージェントをガンガン利用していった方が良いです。
やはり情報やノウハウをいろいろと持っているので、教えてもらってうまく活用するのが最短ルートです!
そして、第2新卒枠が無理でも、若いうち(できれば20代)にがんばりましょう。
年齢が上がるほど経歴が重視されます。
各年齢層に合ったエージェントがあります。
自分に合ったエージェントを利用して就活を進めましょう!
企業正社員を希望しない人
仕事に求める優先度でお金が上位なら、正社員型派遣でOKです。
モヤッとポイントは適当にスルーして楽しく働きましょう!
仕事に求める優先度で自由が上位なら、一般派遣の方が良いです。
しかし、一般派遣のデメリットはしっかり理解しておいた方が良いです。
デメリットについてはこちらの記事が参考になります。
まとめ_新卒で正社員型派遣はやめた方が良いのはなぜ?
以上、筆者の経験からみた正社員型派遣を企業正社員と一般派遣と比較してみました。
企業正社員と比べた場合
企業正社員と似ている点
- ボーナスと退職金がある。
- 派遣されていなくても会社との契約は切れない。
- 正社員なので社会的信用はある。
企業正社員と比較するとモヤッとする点
- 知識や技術がある人は実力以下のパフォーマンスになりがち
- 給料が上がったとしても企業正社員には及ばない。
- 配属先で昇格することはない。
- 転職時に「正社員経験あり」と言いにくい。
- 配属先の業績が上がっても自分のボーナスに反映されるわけではない。
- 配属先で孤立することもある。
- 長年勤めた配属先でも、会社都合で急に切られることが普通にある。
一般派遣と比べた場合
一般派遣と似ている点
- 長年続けると実験のエキスパートのような人にはなれる。
- 会議への出席は連絡事項や必要な教育だけのことが多い。
- ルーティンワークや周辺業務を頼まれることがほとんど。
- 大手企業に配属されることが多い。
一般派遣と比較するとモヤっとする点
- 人間関係でトラブルがあるとボーナスにすぐ反映されがち。
- 配属先を自由に選べない。
- 配属先の業務時間外に派遣会社の研修やレポート提出が入ってくる。
この記事を読んでどう感じたでしょうか?
正社員型派遣についてはモヤッとポイントを受け流せる程度かどうかがまぁまぁ大事だと思います。
新卒で正社員型派遣はやめた方が良いという意見が多いのは、新卒じゃなくても入れるからじゃないかな?と思います。
ホームページなどを見て希望をもって入ったけど、妙な違和感にモヤモヤしている人もまぁまぁいます。
ですが、どんな仕事についてもモヤッとすることはあります。
入ってみないとわからないことも多いです。
なので、まずは「自分がその仕事に興味を持てるか?楽しめるか?」を優先して選ぶのが良いと思います。
それで一定期間はやってみて、どうにも違和感が消えなくて無理なら転職すれば良いのです。
おまけ
転職を決断する判断材料として、よく言われる3要素。
- 人間関係
- 仕事内容
- お金
この3つのうち2つがダメならGO!と言われています。
たしかに、快適に仕事を続ける上で重要ポイントをおさえている3つだと思います。
実際のところ、1つだけOKの状態で踏ん張るのはキツイです。