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【初心者】これならわかる!細胞を播種するための計算を簡単にする方法

この記事では、細胞を継代したり、プレートに播種したりするときの

計算を簡単にする方法について紹介します。

細胞数の計算って、混乱しますよね?

10^6 が付いているだけで、なんでこんなに分かりにくくなるんでしょう…

その悩みを簡単に解決するのが、紹介する計算方法です。

いつも計算に苦戦していた筆者が、ようやく理解できた方法です。

1つのポイントで計算のハードルがぐっと下がります!

ぜひ試してみてください。

 

ポイント

まず、1.0×10^6 cells/mLに調製する。

 

では、例題で解説していきます。

 

 継代するときの細胞数の計算方法

(例) 4.5×10^6 cells/mLの懸濁液を、3.0×10^5 cells/dish で100mm dish

に 10mL で播きたいとき。

懸濁液は 1mL あるものとします。

 

(計算方法)

まず懸濁液を1.0×10^6 cells/mLに調製します

希釈倍率の計算

4.5×10^6 cells/mL ÷ 1.0×10^6 cells/mL = 4.5

なので、懸濁液を4.5 倍希釈します。

 

計算の時 ×10^6 cells/mL の部分を合わせておくと計算しやすいので、

4.5×10^7 cells/mL だった場合は 45.0×10^6cells/mL として計算すると良いです。

 

懸濁液は今 1mL あるので、そこへ3.5mLの培地を追加すると

4.5倍希釈の懸濁液(1.0×10^6 cells/mL)が完成します。

 

懸濁液( 4.5×10^6 cells/mL )      1mL

 培地              3.5mL

Total( 1.0×10^6 cells/mL )      4.5mL

 

懸濁液が2mL ある場合は倍量の7mL (3.5mL×2mL = 7mL) の培地を追加すると 4.5倍希釈になります。 不安な場合は追加培地を含めた量(9mL)÷懸濁液量(2mL)で計算すると 4.5 になるので、 希釈倍率の確認ができます。

 

次に3.0×10^4 cells/mLを11mL調製します。

 

調製後ディッシュに10mL 移すことで 3.0×10^5 cells/mLになるようにします。

余裕をみて、気持ち多めに作りましょう。

 

希釈倍率の計算

3.0×10^4 cells/mL÷100.0×10^4 cells/mL = 0.03

 

間違えにくいように ×10^4 に数値を合わせます。

1.0×10^6 cells/mL = 100.0×10^4 cells/mL

 

11mLに必要な懸濁液(1.0×10^6 cells/mL)の量は

→ 0.03倍×11mL = 0.33mL(330uL)

なので、必要な培地量は

→ 11mL - 0.33mL = 10.670mL

これを混ぜると懸濁液 ( 3.0×10^4 cells/mL ) の完成です。

 

懸濁液( 1.0×10^6 cells/mL )    330uL

 培地              10.67mL

Total ( 3.0×10^4 cells/mL )    11mL

 

できた懸濁液(3.0×10^4 cells/mL)を10mL播くとディッシュの中には

3.0×10^5 cells/mLで細胞がいることになります。

 

3.0×10^4 cells/mL×10mL = 3.0×10^4×10 cells/mL = 3.0×10^5 cells/mL

 

ディッシュに9mL の培地を先入れしておいて、3.0×10^5 cells/mLに調製した1mLを 添加する方法でも良いのですが、接着細胞の場合は3.0×10^4 cells/mLに調製して 10mLを播く方がまばらに播きやすいです。

浮遊細胞の場合は少量添加でも問題ないです。

 プレートに播種するときの細胞数の計算方法

(例)4.5×10^6 cells/mLの懸濁液を、1.0×10^4 cells/wellで 96well plate に

100ul/well で40well 播きたいとき。

懸濁液は 1mL あるものとします。

必要量は 40well×100uL= 4mL

 

(計算方法)

まず懸濁液を1.0×10^6 cells/mLに調製します。

継代するときと同様なので簡単に書きます。

 

希釈倍率の計算

→4.5×10^6 cells/mL ÷ 1.0×10^6 cells/mL = 4.5倍希釈

懸濁液は今 1mL あるので、そこへ3.5mLの培地を追加すると

4.5倍希釈の懸濁液(1.0×10^6 cells/mL)が完成します。

 

懸濁液( 4.5×10^6 cells/mL )    1mL

 培地                 3.5mL  

Total ( 1.0×10^6 cells/mL )   4.5mL

 

次に1.0×10^5 cells/mL を5mL 調整します。

 

調製後プレートに100uL 移すことで 1.0×10^4 cells/wellになるようにします。

余裕をみて、気持ち多めに作りましょう。

 

希釈倍率の計算

1.0×10^5 cells/mL÷10.0×10^5 cells/mL = 0.1

5mL に必要な懸濁液(1.0×10^6 cells/mL)の量は

→ 0.1倍×5mL = 0.5mL(500uL)

なので、必要な培地量は

→ 5mL - 0.5mL = 4.5mL

これを混ぜると懸濁液 ( 1.0×10^5 cells/mL ) の完成です。

 

懸濁液( 1.0×10^6 cells/mL )   500uL

 培地              4.5mL

Total ( 1.0×10^5 cells/mL )     5mL

 

できた懸濁液(1.0×10^5 cells/mL)を100uLずつwell に入れていけば

1.0×10^4 cells/well で播種したplate の完成です。

 

1.0×10^5 cells/mL×0.1mL = 1.0×10^5×1/10 cells/mL = 1.0×10^4 cells/mL

 

【まとめ】細胞を播種するときの計算方法

 

以上、筆者が細胞の継代とプレート播種をするときにやっている細胞数の計算方法でした。

継代もプレート播種もポイントは、まず懸濁液を1.0×10^6 cells/mL にすることです!

こうすることで、後の計算がしやすくなるのでおすすめです。

細胞数の計算にいつも頭を悩ませている方の参考になればうれしいです。

 

 

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